桜乱忍者のアップデートおよび遊びのパターンの考察

=追記=

 iOS版もレビューが通ったのでリンクを追加。

=前置き=

 桜乱忍者(Auto-Run Ninja)をアップデートしたのだけど、それの告知だけだと寂しいので「どういう風に遊びのパターンを考えているか」を内省がてら書いておこうと思う。

=遊びのパターン:概要=

 wonderflに上げているような単発のゲームではあまり考えないが、今回のようなステージの追加・量産や仕事で作るボス戦などでは遊びがワンパターン化するとつまらないのでできるだけバリエーションを持たせたい。そのため、遊びのパターンを事前に分類しておいて「今のこれはこのパターンだから、別のパターンのやつを組み込もう」と考えられるようにすると楽かなーと思ったのでちょくちょく分類を進めていた。

 以下ではおおまかな分類である「基本」と、それらの派生や組み合わせによる「応用」を説明する。ちなみに今回は「アクションゲーム(リアルタイムかつデジタルなゲーム)」の比重が大きく、非電源系やターン制のゲームではまた別の分類があると思う。

=遊びのパターン:基本=

 アクションゲームの遊びはおおむね以下のようなパターンに分類できる。 

  • タイミング
  • 調整
  • 反応
  • 誘導
  • 連打

 「タイミング」はその名の通りボタンや十字キーを押すタイミングを図る遊びである。例えば「マリオがジャンプで穴を飛び越える」というものがこれにあたり、早すぎても遅すぎても穴に落ちてしまうのでタイミング良くジャンプしなければならない。

 「調整」は座標やゲージなどを特定のところに維持しようと調整する遊びである。再びマリオの例で言えば「狭い足場への着地」がこれにあたる。

 「反応」は相手の攻撃やギミックの起動に反応して回避したりする遊びである。どうぶつの森の釣りなどがこれにあたる。

 「誘導」は敵やミサイルを誘導して自分の有利な状況にする遊びである。例えば敵の群れを通路に誘い込んで1対1の状況を作ったり、ミサイルを誘導してボスにぶつけたりする遊びになる。

 「連打」は最近あまり見かけないがボタンや十字キーを特定の間に連打する遊びである。連射機能付きゲームコントローラの出現によりあまり見かけなくなったが、スマホのように連射機能を使いづらい状況ではまた利用できるかもしれないが、誤タッチの原因にもなったり画面が見づらくなったりするのでやはり利用は難しいかもしれない。

=応用=

 基本よりも複雑であったり方向性が違ったり組み合わせて使ったりするものを、ここではまとめて「応用」と呼ぶことにする。これは色々なパターンや粒度があると思うが、自分が使うようなものをまとめてみる。

 「チキンレース」はタイミングの遊びの派生。ギリギリまでねばるほど良い結果になるが、少しでもタイミングが遅いと見返りが0やマイナスになるようなもの。

 「逆チキンレース」はそのままチキンレースの逆。あるタイミング以降は徐々に見返りが少なくなるが、少しでもタイミングより早いと見返りが0やマイナスになるようなもの。

 「タイミング化」は何かの要素をタイミングの遊びに変えるもの。例えばスト3のブロッキングなどは「防御という行為のタイミング化」と捉えることができる。タイミング以外にも他の遊びに変化させることはおそらく可能だと思うが実例がいまいち思いつかないのでこれ以上の一般化は保留にしている。

 「追跡」は逃げる何かを追いかける遊び。閉鎖空間であれば相手を部屋の隅に「誘導」する遊びにもなるが、オープンスペースであれば先回りや行動予測などの遊びが絡まってくる。

 「慣れ潰し」はプレイヤーがある行動に慣れてパターン化したところに逆の遊びを持ってくるもの。例えばマリオでクリボー×3を順に踏ませつつ、4匹目にトゲゾーを配置してそこは回避させたりしてバリエーションを持たせる。

 「無操作」はそのまま何も操作しないことで、だるまさんがころんだのような遊びで使われる。また、上の「慣れ潰し」と組み合わせることで「ついボタンを押してしまう」などを誘発するために使うこともできる。

 「交互」は遊びの運用方法の一種で、複数の遊びを切り替えつつ遊ばせる。ボスの攻撃パターンの変化や、ステージのギミックの並びなどでこれを実現する。

 「同時」も遊びの運用方法の一種で、複数の遊びを同時に行わせる。例えばボスの攻撃を回避しつつ攻撃したりする。

 「複合」は「同時」と似ている運用方法だが、より密接に遊びをくっつけて「何かに反応して即座にボタンを連打」のような遊びを実現する。

 「同種」は「Aボタンの連打」を「Bボタンの連打」に変えるようなもので、あまりバリエーションの幅は感じられないが運用方法の一種である。

=実例=

 今回のアップデートで桜乱忍者にギミックを追加したので、これのアップデート内容を紹介しつつ上の遊びのパターンの適用例を示す。

 まず、そもそも桜乱忍者の遊びは「タイミング」が基本となる。「自動で走る+壁や天井も走る+タッチでジャンプ」というシステムなので、「穴や障害物を避けるためにジャンプする」という遊びがメインになる。

 そのため、アップデートに際してはそれ以外の遊びを組み込みたい。タッチでジャンプするだけの挙動なので「連打」の対応は難しく、自動で走るので「誘導」も難しい。そういう感じであれこれ考えつつギミックのネタ出しをして「このギミックでどのような遊びができるか」を考えてバリエーションが増やせるギミックを考えた。

 そして今回はプレイヤーの自走処理を流用して「自動で走るエネミー」と「自動で走るゴール」を追加した。これにより「ゴールを"追跡"する遊び」「トゲの回避とエネミーの回避を"交互"・"同時"に行う遊び」などのバリエーションが生まれた。


=アプリ=

 ということで、桜乱忍者に「自走エネミー」と「自走ゴール」を追加。それらを使ったステージも15個追加。

Android
https://play.google.com/store/apps/details?id=air.showohealer.game.ninjarun

iOS
https://itunes.apple.com/jp/app/id584688168

=予定=

 しばらく雑多な対応をしてから無念番付のアップデートを行なっていく予定。