イカ2のナワバリの戦略検討用データ(from stat.ink)

前置き

ナワバリのステージの半数くらいは「中央の確保~維持」が基本戦略になると思うが、「そもそも中央の確保~維持の成功率はどの程度か」「中央の維持が難しい場合、何をすれば勝率が上がるのか」という部分が問題になってくる。

で、それは脳内であれこれ考えるよりも、まずは現実のデータをもとにした方が確実そうだったのでstat.inkのデータを使わせてもらって参考になりそうなデータを計算してみた。


調査対象

今回はstat.inkのデータのうち、「ナワバリ」かつ「プラベではないもの」のデータを対象とした。(プラベの場合は検証や隠れんぼなどがありうるため)

IDの範囲はID:1350000(2018/09/15 21:26)~ID:1514305(2018/10/29 12:30)とした。ガンガゼのステージ改築直後で、途中からムツゴ楼が解禁される。


また、具体的には以下の項目を計算してみた。

 

散布図

「塗りの合計が90%未満」
→塗られていない部分が多いかどうか

「お互いに塗りが50%未満」
→塗られていない部分を塗れば逆転の可能性があるかどうか

「塗りの差が5%未満」
→細かい塗りやスペシャルでの逆転可能性が高いかどうか

「塗りの差が10%未満」
→前線を上げた状態の維持の難易度が高いかどうか

「塗り合計の平均」
→大きいほど全体的に塗られており、小さいほど塗り残しが存在しやすい

「塗り差の平均」
→大きいほど圧勝しやすく、小さいほど僅差の勝利になりやすい

 

線グラフ

「塗り%」
→塗り残しの傾向などの把握

「キル数」
→戦闘の多さや牽制合戦の少なさなどの把握

「デス数」
→キル数と似ているが、水没などのアクシデントの把握

スペシャル発動数」
→打開の多さなどの把握

 

グラフ

いちおう埋め込んでみたが、おそらくリンク先を新しく開いた方が確認しやすいと思う。

 https://o-healer.work/splatoon2/chart.html

 

https://o-healer.work/splatoon2/chart_stage.html

 

考察:データ

まずはデータの傾向をいくつか見てみる。


「塗りの合計が90%未満」の試合が多いのは
・「モンガラキャンプ場」
・「海女美術大学
・「バッテラストリート」
・「ガンガゼ野外音楽堂」
あたり。

モンガラは広い(というか遠い)ので予想通りだが、海女美もおそらく左右のエリアや自陣端が塗られていない試合が多い様子。むしろショッツルがトップ5に入っていないのが意外。
海女美は「お互いに塗りが50%未満」の試合もかなり多めなので、自陣端や左右のエリアをきちんと塗ると勝率が高くなりそうに見える。


逆に「塗りの合計が90%未満」の試合が少ないのは
・「エンガワ河川敷」
・「コンブトラック」
・「ザトウマーケット」
・「フジツボスポーツクラブ」
・「Bバスパーク」
あたり。

これらのステージは「お互いに塗りが50%未満」の試合も少ないので、「塗られていない部分を塗って勝つ」というよりは「前線を上げて勝つ」というステージっぽい?「前線を上げて勝つ」というステージの典型としてはハコフグがあるが、上記5つはいずれも「お互いに塗りが50%未満」の値がハコフグと同程度になっている。

 

考察:分布図

続いて分布図の方をいくつか見てみる。

「お互いに塗りが50%未満」×「塗りの差が5%未満」のグラフは、右上にいくほど「どちらも50%を越えない試合が多く、僅差の試合が多い」という意味になるので「細かい塗りやスペシャルで逆転しやすいステージ」であると考えられ、逆に左下ほど「普通に前線を押し上げないと勝てないステージ」と考えられる。左下のハコフグはまさにそんな感じだが、右上のアンチョビ・バッテラはちょっと意外な感じがする。


「塗りの差が5%未満の試合」×「塗りの差の平均値」のグラフは左上から右下に線を引いた感じになっている。右下になるほど「塗りの差が少なくなり、実際に差が5%未満の試合が多くなる」=「僅差の試合が多くなる」と言えるが、その中でもタチウオのように右上にはみ出すと「僅差の試合も多いが圧勝する試合もあり、極端な試合傾向になりやすい」と考えられ、逆にアジフライや海女美のように左下にはみ出すと「本当に僅差の試合しかない」という風になっていくと考えられる。

 

考察:線グラフ

もう片方の線グラフの方も見てみる。

「塗り:合計」をざっと見てみると、一番右寄りなのが「コンブトラック」で、左寄りなのが「モンガラキャンプ場」。つまり、一番塗り残しが少ないステージがコンブで、塗り残しが多いステージがモンガラと考えられる。

 

「SP発動:敗北側」は「敗北側がスペシャルを溜めて発動する余裕がどれくらいあるか」=「打開のしやすさ」と考える事ができる。そしてやはり「ハコフグ」は左寄りで打開がしづらく、同じくらい「タチウオ」もスペシャルを溜める余裕が少ないステージの様子。

 

考察:戦略

そして戦略の視点から見てみる。


まず知りたいのは「中央を早めに取りに行くべき」か「自陣をちゃんと塗ってから行くべき」か。これは主に「中央の維持が簡単である(=取り返すのが難しい)」というステージかどうかで判定できる。これはデータ的にはリザルト時の「塗りの差が大きい(押した状態で終わりやすい)」+「塗りの合計が大きい(塗り返すべきところが少ない)」で擬似的に推定できる。

その観点から実際に「塗りの差の平均値」×「塗りの合計の平均値」のグラフを見てみると、右上にある
ハコフグ倉庫」
は中央を早めに取りに行くべきであり、左下の
「海女美術大学
は多少塗ってから行っても問題ないかもしれない。

 

別の角度から言えば「中央を簡単に取り返せる」なら自陣を塗ってからでも問題ない。これは「敗北側のスペシャル発動数」の平均値が高ければ「敗北側がスペシャルを溜める余裕がある」=「中央を取り返しやすい」と捉える事ができる。
この観点から言うと「SP発動:敗北側」を見る限り、やはり「ハコフグ」は中央を取り返しづらいと見る事ができる。また「海女美」の方は平均的なので、ある程度は中央を早めに抑える戦力も欲しいと言える。


まとめ

実際には今回のグラフからもっと色々な解釈ができると思うが、あまりあれこれ書いても雑多になるだけなので今回は基本的な解釈だけを示した。

近々バッテラストリートの構造が変更されるので、その際はまた改めてデータを取り直したい。